希望溢れる二十一世紀を迎えて
我々先祖代々築き上げてきた20世紀、また我々が生まれ育ち、生きてきた20世紀。ありがとう。
今、希望溢れる21世紀を迎えて、ただ願うこと。7項目
- 日本が戦争になりませんように。
- 世界が平和でありますように。
- 環境破壊がこれ以上悪くなりませんように。
- 交通事故が減少しますように。
- 新世紀は明るく楽しい日々が長続きしますように。
- 家庭が円満で、家族が息災で過ごせますように。
- 会社が儲かって社員が豊な家庭を築きますように。
今年も共栄製作所は皆様方に満足していただけるように社員一丸となって頑張りますので宜しくお引き立て下さい。
山田 三和
レーダー
「タクシー運転手」
バブル全盛時、金曜日深夜の繁華街でタクシーをつかまえることは不可能に近かった。運良く止めることができても、行き先を聞かれることが少なくなく、素直に答えると、ほとんど乗車を拒否された。ロング(長距離)の客ではなかったからだ。客を無下に扱って走り去っていくクルマに対し、酔った勢いで罵声を浴びせたくなったこともあった。加えて、思った。タクシー運転手はかなりの高給を手にしているに違いない、と。
しかし、いまやタクシー運転手は月に30万円を稼ぐことさえ、困難になっているそうだ。「タクシー景気」は実際の景気と相関関係があるらしいので、乗るとよく「儲かっていますか?」と尋ねるが、近頃は「さっぱりですわ」という言葉ばかり返ってくる。長引く不況の影響で、タクシー離れが進んでいること、夜遅くまで飲む機会が減っていることに加え、新規参入が相次いで台数も急増しているためだ。
ところが、先日、仕事で遠くに出かけた時に出会った運転手は、いまでもかなり稼いでいるようだった。コツを尋ねると、「まあ、努力の賜物ですかねぇ」とはにかみながら語ってくれた。彼は、売り上げの多かった日のパターンを分析し、ロングの客を捕まえるためにはどこで客待ちや無線待ちをするのがベストなのか、流した方がいい時間帯と休憩した方がいい時間帯は何時から何時までなのか、さらに、それを日にちや曜日や天候によってどう変えればいいかといったことを綿密に研究しているのだ。そして、それを活かし、効率的に売り上げを伸ばす自分だけの待ち方や走り方を行っている。
一方、あまり稼いでいない運転手の多くは、「儲かるか儲からないかは、その日の運ですよ」というような言い方をする。成り行き任せで走っているので、ロングの客に当たっても「今日はラッキーだった」と言うだけで片付けてしまうのだ。
同じタクシー運転手でも、常に顧客のことを研究している人とそうでない人では、売り上げにかなりの違いが生じている。人よりたくさん稼ぐためには、マーケティングが必要となる。
もちろん、これは企業でも同じ。消費が冷え込んでいる時に物を売るには、それなりの工夫が求められる。しかも、年々、消費者は賢くなり、かつ、その嗜好は複雑化している。彼らが求めている「納得」の二文字を満足させるには、並の努力では通用しない。