その差
成功する人と、そうでない人の差はどう違うのだろうか?この疑問にこのように答えた人がいます。「その差は紙一重です」。ではこの紙一重の違いはどのようなものなのか。
成功する人は「忍耐力」「粘り強さ」をもって、壁に突き当たったときでも、突破するため、一生懸命努力をする。
失敗する人は、壁に突き当たったとき、突破する努力をあきらめ、すぐ体裁の言い訳をする人。
この壁にどう立ち向かうのか・・・の差が紙一重です。
サッカーや野球のプロの選手や、オリンピックで活躍する人たちは、まさに忍耐力や粘り強さを持って目標に向け、一日一日積み重ねの努力をしています。その結果、良い成績を残し、それに見合った報酬を得ることが出来るのだと思います。
私たちの商売も同じで、毎日の積み重ねと、他人様以上に努力をしたか?しなかったか?によって、その差が今日の姿となって現れているのだと思います。今一度、胸に手を当てて、自社を外から見てみたらいかがですか。
レーダー
「BOSS誕生秘話」
缶コーヒー市場は、いくつもの企業が参入しており、すでに需要が飽和状態と見られていた。「ウエスト」というブランドで業界七位に甘んじていたサントリーは、そこに新ブランド「ボス」を投入。一気に、二位に踊り出た。
既存ブランド「ウエスト」は実は、「若い男性に飲まれるコーヒー」という具合に、年齢と性別でしか顧客を絞っていなかった。ところが、同社のマーケターは「ボス」立ち上げの際、ヘビーユーザーにとって、缶コーヒーがいったいどんな存在なのかを徹底的に調査した。
結果、缶コーヒーのヘビーユーザーは、屋外で働く時に缶コーヒーを飲んでいる男性であることが分かった。ドライバーであったり、現場作業員であったり、営業マンであったりする彼らは、頭数では消費人口の二割程度に過ぎない。だが、全消費量の六割を占めていた。肉体を酷使する彼らが缶コーヒーに求めるものは、カフェインの刺激と強い甘さだった。
加えて、実際に現場をつぶさに観察し、ユーザーが缶コーヒーに寄せる心情を理解することに努めた。缶コーヒーがどうして彼らに必要とされるのか、飲用動機そのものから改めて定義し直そうとした。ストップウォッチで、屋外労働者が缶コーヒーをどのくらいの時間持ち歩くかを計ってみた。飲みながら移動し、食事をし、飲み終わると、灰皿として使う。平均で約十五分、傍らにおいておくことが分かった。これは、予想以上に長かった。
オフィスワーカーがコーヒーに寄せる思いと何が違うのか、さらに分析が始まった。屋外労働者は、基本的には一人で仕事をする。一匹狼で、上司や部下がいない代わりに、自分が自分を律する上司(ボス)だという自負がある。強力なアイデンティティーを持ち、灰皿として使う缶も自分専用だ。
そして、質実剛健な雰囲気を好み、一人で缶と向き合いながら休息を取る彼らの真の姿が見えた時、「ボス」という商品名、濃紺のパッケージ、人の顔をプリントするデザイン、矢沢永吉を起用するCMが、統一された世界観という浮かび上がってきたという。
成熟市場では、売り上げを伸ばすことは難しい。しかし、既存顧客に改めて既存価値を認識させるという基本に立ち返る戦略が、確実に売り上げを伸ばす特効薬となることもある。