急騰している鉄価格の現状
前回号に引き続き、ここに来て天井知らずに高騰している鉄相場の現状と今度の見通しを考えてみたいと思う。
2008年の北京五輪、2010年の上海万博の大型プロジェクトが目白押しの中国は、鉄需要が旺盛で、供給不足分を世界各国から鉄鉱石、原料炭、鉄スクラップを買いあさっています。その影響で日本の高炉,電炉メーカーが国内より市場価格の高い中国へと販売シフトを変えたため、各社は空前の経常利益を上げました。現状の中国の鉄スクラップ相場で日本相場より5000円から10000円高く、鉄製品価格も10000円~20000円高くなっております。なぜ中国は日本相場より高いものを買うのかとの疑問がありますが、①重要に供給が追いつかない。②材料が高くても人件費が破格的安い為採算が合う。
その影響をもろに受け悲鳴をあげているのが、我が国であり、不況から脱しきれていない建設土木業界です。そろそろ、ゼネコンも過当競争による受注合戦も考える時期に来ています。また、下請け業者もゼネコンの言いなりになっている時代は去りました。
今後の見通しですが、鉄の相場はまだまだ天井知らず感が続きそうです。おおむね物によって一概にはいいませんが、一昨年の相場より今年の7月頃まで35%~45%高になると考えておくべきでしょう。
我々メーカーも値上をせずには残っていけません。また問屋や小売業の方も同じです。エンドユーザーにもこれらを理解していただき、元受や施主にもこれらの負担を補っていただく理解を得たいと思っております。