今年の材料価格の動向
昨年の鉄鋼の動きを見ると、鉄スクラップが2000円~3000円値を下げた。この理由は、秋の土木・建築の需要が予想以上に悪くて需要が低迷し丸棒やH鋼の引き合いが伸び悩んだ。高炉・電炉メーカーは12月~1月にかけて5000円~7000円の値上を実施の予定が値上を先送りした格好となっている。しかし薄板物やコラムについてはタイトであり、品薄状態が今後も続くし、価格も強気で値上を実施する気配だ。今年の注目することは、昨年末から交渉中の原料炭がどのように決着するのかである。原料炭価格が予想される2倍価格で決まれば、各高炉メーカーは年間約1兆円のコスト高となってしまい製品に転嫁されると材料は1t当り8000円~10000円値上がりするだろうと予想されます。さらにこの結果次第で鉄鉱石の値上も十分考えられます。
また、好調の輸出産業(自動車・家電・機械・重機・造船)、中国やアジアの経済状勢、アメリカの経済動向に注視しなければならないと思います。今年も鉄の需要に対して供給がおぼつかない状況には変わりありません。
いずれにしても今年の3月には材料が値上がりし、全ての鉄製品も値上をしなければならない状態となります。3年前と比べて材料も製品も2倍~3倍になってしまうと考えるべきでしょう。