丸セパ 即納 共栄製作所株式会社のホーム > 共栄ニュース > 共栄ニュース 2007年12月号 -第209号-

改正建築基準法の影響が鮮明に

改正建築基準法の改正に伴っての影響が各方面に鮮明に出始めております。
6月20日の施行後、確認申請が激減して一般住宅、マンションの建設に急ブレーキがかかった状態で先行き不透明感が漂っています。

特に首都圏においてはマンションの着工戸数は昨年同月比8月が72%減。さらに9月が86%減と過去最悪の事態であります。近畿圏や中京圏の大都市近辺も同数字くらいの減となっています。

特に問題となっておりますのが「法律の根本的改革にもかかわらず、周知期間が十分でなかったこと」「膨大な添付資料で設計者が確認申請の提出を慎重に構えていたこと」

また、「構造計算をするためのバイブルである構造関係技術基準書が発行されたのが8月10日であったため、設計者が計算書を作成することをためらっていたため」さらに「改正関係法令があまりにも杓子定規的な内容となっており、添付資料が膨大な量となり設計者の負担が大きくなった」など等…。

10月の建設業の倒産件数が今年最多の309件となり、前年同月28%増と悪影響が出てきております。改正法の影響と公共事業の削減によるものと考えられますが、これから年末にかけての更に増加することが予想されます。
11月は上場ゼネコンの中間決算発表がピークとなっていますが、確認審査の厳格化の影響によって建築着工が激減している中、資材・労務費が高騰して工事採算悪化し苦戦を強いられ、半数が赤字になるだろうと言われております。

また、新築着工が激減して浴槽やトイレ、システムキッチン、エアコンの販売店は売上が大幅に落ちています。これらの建設住宅機器メーカーは今後も厳しさが続くことを念頭に収支決算を下方修正に転じております。
多方面にわたっての悪影響の重大さを政府与党は測りきれず、即効対応も打ち出せないままで、改正法の見直し法案を11月に提出しましたが、これも、改正後半年もたたないのに法改正をすることは、まことに異常だと言わざるを得ないことであります。
今後はどのようになるのか注意をして見守ることが肝要であります。