鉄鋼の高騰に伴う建築への影響
ここにきて、鉄スクラップの急激な高騰の背景には、鉄スクラップの品不足が顕著化して、ないもの高の感があります。今年に入ってt=3万円前後の値が3月に入るやt=5万円台に付けて、更に6万円台値につける勢いとなっております。
なぜ、鉄スクラップが不足し、価格が高騰しているのかを検証しました。
①中国などの新興国が需要が旺盛なことで価格より、品確保に躍起になって買いあさっている。
②価格値が国内価格より新興国の価格が高いので、国産の品の輸出が旺盛である。
③昨年6月の改正建設基準法の影響にてビルの解体がされないため、スクラップが発生しない。
④わが国はじめ中国、韓国等の新興国は世界最大の鉄鉱石、原料炭、鉄スクラップの消費国であり、また鉄鋼の消費国であります。特に中国の鉄鋼生産は昨年489百万tで日本の4倍、アメリカの5倍となりました。
⑤ブラジル産の鉄鉱石は65%アップでの交渉となりました。
⑥最大の生産国オーストラリアは1月、2月の集中豪雨での影響で露天掘りの生産が低下したままで、現状復帰のメドがたたない状況です。
⑦海上輸送が急増し、造船注文殺到して鉄板の需要に対して、供給が追いつかなく状況がタイトとなり、輸送船不足も深刻化しております。また原油の高騰によっての輸送コスト高である。⑧わが国意の唯一の資源である「鉄スクラップ」がどんどん他国へ輸出されている現状も不足の大きな要因であります。必然的に、国内の品不足となり、品を確保しなければ生産に支障が出るので、確保するためには必然的に売り手市場となり価格が上昇するといった状況です。
昨年の6月の改正法で建設関連業種は大打撃を受けました。更に今年は建築に使用される鉄筋や鋼材の価格は鉄筋がt=6万円台から9万円台になりました。H鋼もt=9万円台から12万近くとなりました。これだけの原料高品不足が続きますと、6月か7月ごろには更にもう一段の値上げ(予想t=10000円~15000円)があると考えていたほうが賢明でしょう。
これらの影響によって、民間の設備投資が冷え込み、マンション等の建設が中止や見直しがされて、昨年以上に激減することが考えられます。
また、原料高の影響にて「作っても売れない、買っても売れない年になるのでは・・・」と大変危惧しております。
弊社もこのような状況下の中において、材料の確保を最優先として対応しております。