2009年を振り返って
昨秋のリーマンショックそして米国発の金融危機による影響がそのまま日本経済を直撃した一年でありました。自動車、家電、建機メーカーは60%~70%の減があたりまえとなり、いずれも厳しい現実とあいなりました。この減産に伴って、下請け会社や関連企業の倒産が多発しました。しかし、そのなかで政府の環境対策補助金によって一部に回復も見られましたが、まだ程遠い状況でした。住宅産業もマンションや一般住宅の落ち込みが10ヶ月連続30%減となり、いまだ見通しは霧中の状態であります。
8月には「政権交代」が行われ、民主党を中心とした3党連立政権が9月に発足しました。国民の期待を受けての鳩山政権は事業の仕分けで喝采を受けるも、沖縄の米軍基地の先送りや暫定税率の廃止問題などで、ここに着てやや迷走気味?支持率も50%を割り込み総理の指導力不足が露呈!?それに合わせて、「日本の国はどうなるのだろう?」との不安が増すばかり。日本経済の行方や雇用不安、老後不安などなど…。内需拡大も見込めなく、デフレが進行して、おまけに円高状態がいつまで続くのか?日本の株式は年初より年末にかけて2~3割安の見込み。他の先進国は2割上昇しているなかで、日本だけが下がっている。日本の人口が増えない。少子高齢化がすさまじい勢いで進んでいる。
そんな中において、大和ハウスや住友林業は日本で今後の住宅が見込めない中において、中国での市場開拓に乗り出しました。数千戸の規模にて、1タウン開発し一戸建て住宅を中国の裕福層に売り込もうと考えています。積水ハウスはオーストラリアにおいて、地元デベロッパと提携して、大規模な開発をやろうとしています。これらは、今後世界の中で生き抜くための手段としてはすばらしいことだと思います。しかしながら、逆の場合もあります。スパーゼネコンがビル用の鉄骨加工を国内で発注せず、タイの鉄工所に依頼して、輸入をしているのです。鋼材の安さや人件費の安さ、おまけに円高が後押ししているようです。技術的レベルの高いものだけ日本で加工されますが、トン当たり3万円安いので、国内では到底対抗できない差額なのです。
自動車、家電のメーカー及び下請けは、再び安い加工賃を探求し国外に拠点を作り始めています。日本の材料はますます国内で売れなくなり、労働力は余り、再び産業の空洞化が起きるような気配がする一年でありました。