丸セパ 即納 共栄製作所株式会社のホーム > 共栄ニュース > 共栄ニュース 2014年10月号 -第287号-

「子供」か「大人」か

例えば、米山維斗(ゆいと)氏。ケミストリークエスト㈱(相模原市)取締役社長、平成11年生まれ、15歳。小学3年生の時、元素記号を組み合わせて勝負を競い、遊びながら科学を学ぶことができるカードゲーム「ケミストリークエスト」を考案。これを商品化・販売するため平成23年に当社を設立した。

「当時の僕は科学に夢中で、世の中の物質がすべて約100種の元素からできている事実に感動した。それを同世代の友人にどう伝えるというのが開発のきっかけ」だった。しかし「いつまでも社長を続けようとは思っていない。将来は有機化学の研究者になりたい」と米山氏は話す。

例えば、三上洋一郎氏。GNEX㈱(東京都品川区)取締役社長、平成10年生まれ、16歳。中学2年生の時、「やりたいこと」を持つ中学生・高校生とそれを手助けする大人を結ぶインターネットのプラットホーム「Bridge Camp」を開設。最初は学生団体として運営していたが、15歳になって法人化した。

「大企業の就職にはリスクを感じる。入った会社が40年後も健全経営を続けているか分からないし、そこで自分がずっと働ける保証もない」と起業する道を選んだ。

さらに例えば、仁禮彩香(にれいあやか)氏。㈱Glopath(横浜市)最高経営責任者(CEO)平成9年生まれ17歳。①子供たちのアイデアと思いを実現する事業、②未来志向の学校づくり③チャレンジする大人を応援する事業に取り組みたいと2011年に会社を設立。育児教育を行うカフェ「g-cage」(首都圏5店舗)の運営ほか活動は多岐にわたる。「g-cage」のHPにはいま「求む2018年の経営者」の募集案内が掲示されている。2018年とは彼女が20歳を迎える年。同社規定では、20歳の誕生日を迎える前日までにCEOを退任しなければならないと定められているのだ。なぜか?

仁禮氏がその理由をインタビューで答えている。「会社設立前、ある人から、企業の中には役員に名前だけ残して居座る格好悪い大人がいると教わった。ならば、私たちは20歳までに辞めようと決めた。格好悪い大人になりたくないから」

だから募集している次期経営者の応募条件は「現在、小学校に通っている子供達」である、マジに。

総務省「就業構造基本調査」によると、2012年での15~19歳の起業者は推定800人を数える。「子供」か「大人」かは、どうやら年齢で区別されるものではなさそうだ。