丸セパ 即納 共栄製作所株式会社のホーム > 共栄ニュース > 共栄ニュース 2022年3月号 -第378号-

SDGs₌未来を見据え、資源と、他者を大切に 

 2020年7月のレジ袋有料化から早1年半。時評子は仕事柄よく展示会の取材をしているが、配布されるカタログやパンフレットを納めたバッグはプラスチック製から布製、特に不織布製になりつつあり、それは普段の生活における買い物でもありがたく使わせてもらっている。

 最近街中でも肩掛けしやすい布製トートバッグを見かけるようになったのは有料化の影響もあるのだろう。

 しかし使用していると食品等を入れる機会もあり汚れるし、きれいだとしても長期間使っていると布製だから洗いたくなる。

 そこでネットに入れて洗濯機で洗っているが、その際に「これを製造する過程を含め、使用する水・洗剤・電力等をトータルで考えたら環境負荷が少ないだろうか?」そして「不織布製を使い捨てする人もいるだろうが、この場合プラスチック製より環境負荷が大きくないだろうか?」そもそも「海洋汚染の原因とされているなら、海岸周辺での廃棄を防止する事からでは?」とも考えさせられる。

 2010年代半ばから提唱され始めたSDGs(持続可能な開発目標)には、①貧因をなくそう、②飢餓をゼロに、③人々に保健と福祉を、④質の高い教育をみんなに、⑤ジェンダー平等を実現しよう、⑥安全な水とトイレを世界中に、⑦エネルギーをみんなに、そしてクリーンに、⑧働きがいも経済成長も、⑨産業と技術革新の基礎をつくろう、⑩人や国の不平等をなくそう、⑪住み続けられるまちづくりを、⑫つくる責任、つかう責任、⑬気候変動に具体的な対策を、⑭海の豊かさを守ろう、⑮陸の豊かさも守ろう、⑯平和と公正をすべての人に、⑰パートナーシップで目標を達成しよう-とあり、自然環境保護のイメージばかり強いが直接的に言及しているのは意外にも⑦⑬⑭⑮の4項目しかない。      

 17項目と目標は多く、経済=エコノミーとエコロジー=環境と両立が難しい事も鑑みれば、世界中で推進・達成するのはすぐには難しいだろう。      

 しかし経済をはじめ人間社会に関する項目が多いのに、自然環境ばかり取り上げられたら本末転倒になるおそれもある。身近なところからの努力も大事だが小事に捉われて大事が疎かになりかねない。      

 横文字(アルファベット)でSDGsとして広まってはいるが、これは昨今の世の中で評されている「今だけ、金だけ、自分だけ」の考えの反対となる「未来を見据え、資源(人・物)と、他者を大切に」とは言えないだろうか?      

 SDGsの実践。それは自然にも人間社会に対しても「今だけ、金だけ、自分だけ」な生活・経営・政策を改めるところからだ。

―時評より―