丸セパ 即納 共栄製作所株式会社のホーム > 共栄ニュース > 共栄ニュース 2023年10月号 -第396号-

財政法第四条

 10月のインボイス制度導入をきっかけに、消費税増税議論が加速していく模様で、このままだと消費税は15%に引き上げられる雲行きだ。

 増税はすでに段階的に実施されており、今年4月に国民健康保険料の上限引き上げが行われた。ほかにも、後期高齢者医療保険の保険料上限引き上げ、介護保険料の引き上げが実施されている。

 また、国民年金保険料の納付期間5年延長や、防衛費捻出のための、たばこ税、法人税、所得税の増税を議論していく。さらに、結婚子育て資金一括贈与の廃止、後期高齢者医療保険の保険料上限の引き上げ、教育資金の一括贈与廃止、生前贈与の相続税加算期間延長、退職金の非課税枠の縮小、厚生年金の支給減額などを、今後予定あるいは検討していくようだ。ウクライナ復興の巨額費用の財源も増税で賄われることになろう。

 政府は「国民の暮らしを守る」などと言っておきながら、増税に次ぐ増税で国民や民間企業を締め上げている。2023年度の国民負担率は、江戸時代の重税の象徴「五公五民」に匹敵する46.8%に達したという。とんでもない重税国家だ。政府も財務省も国民を便利なATMくらいにしか考えていないのだろうか。

 景気が回復したら税率を上げなくても税収アップが見込めるので、消費税をゼロにすれば良いのではないか。増税の理由は「財政赤字だから」の一点張り。実際は財政が赤字になろうが、国の借金が増えようが、すぐに財政破綻につながるわけではなく、財務省のHPにハッキリと日本国債はデフォルトしないと書いてある。政府の借金が円建てなので、日銀に紙幣を印刷させて国債をすべて償還してしまえば済むからだ。

 それなのに、なぜ執拗に増税に固執するのか。それは1947年に公布された「財政法第四条一項」の呪縛がある。「国の歳出の財源を国債に頼ってはならず、健全税財政が原則である」と規定する法律だ(但書あり)。財政法起案者である当時の大蔵省主計局法規課長が「公債のないところに戦争はない」という信条のもと、日本を二度と戦争ができない国にするために、戦費を国債で調達できないようにしたといわれる。いわば財政版「憲法第九条」である。    

財政支出を嫌悪するあまり、物価高などで生活苦に喘ぐ国民に犠牲を強いるのは本末転倒ではないか。「財政守って国滅ぶ」とはよく言ったものだ。

 <レーダーより>