辰巳天井
2024年は「甲辰」(きのえたつ)の年。甲は十干の最初に出てくるもので、固い亀の甲羅に由来する。種子が厚い皮に守られて芽を出さない状態を表しており、「陰陽五行思想」では「木の兄」と表記し、五行の「木」は生長、春の象徴であり、生命や物事の始まり、成長を意味する。また、「辰」は十二支の5番目で「振るう」という文字に由来しており、自然万物が振動し、草木が成長して活力が旺盛になる状態を表す。辰は竜(龍)のことでもあり、十二支で唯一の空想の存在だが、東洋では権力・隆盛の象徴とされている。このことから甲辰の年は、成長した芽が固い甲羅を割って龍の様に天に昇らんとする年回りであり、これまでの努力が成果につながる年といえよう。
昨年卯年は相場格言「卯は跳ねる」のとおり、日経平均株価は跳ね上がった。今年は「辰巳天井」。日経平均株価は4営業日続伸し1月11日の終値は3万5049円、バブル経済期以来約34年ぶりの高値を付けた。(*ちなみに2月16日現在の日経平均株価の終値が3万8487円で市場高値まであとわずかまで迫った。)
景気回復に期待して「辰」にまつわる「縁起のいい格言」を並べてみた。
◆画竜点睛(がりょうてんせい)
一番大切な一点を加えることで物事が完成させること。
◆足元から竜が上がる
身近で突然意外なことが起こること。急に思いついて物事をはじめること。
◆登竜門
鯉が滝をのぼって竜になったという中国の故事から、立身出世の関門のこと。
◆竜は一寸にして昇天の気あり
優れた者は、幼い時から非凡なこと。
◆竜の雲を得る如し
竜が雲を得て天に昇るように、英雄豪傑が機を得て盛んに活躍するさま。
◆竜驤虎視(りゅうじょうこし)
威勢のあるものが権勢をふるって世界を睥睨(へいげい)するさま。
◆臥竜鳳雛(がりょうほうすう)
優れた人物が好機を掴めず、世間に隠れていること。三国志の諸葛公明と龐統士元(ほうとうしげん)の故事から。
〈レーダーより〉